11月は過重労働解消キャンペーン 会社が確認しておきたい残業管理5つのポイント(2026.10.28)
会社が確認しておきたい残業管理5つのポイント
毎年11月は、厚生労働省が実施する「過重労働解消キャンペーン」の期間です。2026年は11月1日から30日まで、長時間労働の是正や賃金不払残業の解消に向けた取り組みが行われます。
「36協定は提出しているから大丈夫」「残業代は毎月支払っているから問題ない」と思っていても、実際の労働時間の集計や割増賃金の計算方法によっては、見直しが必要なケースがあります。この機会に、自社の労働時間管理を確認してみましょう。
過重労働解消キャンペーンとは
過重労働の防止を目的として、厚生労働省が毎年11月に実施する取り組みです。2026年も、長時間労働が疑われる事業場などへの重点的な監督指導、労働相談への対応、周知・啓発などが予定されています。
実施期間:2026年11月1日(日)~11月30日(月)
会社が確認しておきたい5つのポイント
① 36協定の有効期間・届出内容は適切ですか?
法定労働時間(原則1日8時間、週40時間)を超える時間外労働や法定休日労働をさせる場合は、原則として事前に36協定を締結し、労働基準監督署へ届け出る必要があります。協定の有効期間が切れていないか、実際の業務内容や労働時間と一致しているか、労働者代表の選出方法が適切かも確認しましょう。
② 残業時間が法律・36協定の上限を超えていませんか?
時間外労働の上限は原則として月45時間・年360時間です。特別条項付き36協定がある場合でも、年720時間以内、時間外・休日労働の合計が単月100時間未満かつ2~6か月平均80時間以内、月45時間を超えられるのは年6か月までといった制限があります。36協定で定めた時間数が、法律上の上限より短い場合には、その協定の範囲も守る必要があります。
※建設業、自動車運転の業務、医師などには、業務・事業の区分に応じた特例等があります。
③ 勤怠記録と実際の労働時間に差はありませんか?
タイムカードや勤怠システムの記録だけでなく、始業前の準備作業、終業後の片付け、業務上必要な待機時間などが労働時間に当たらないか確認しましょう。申告した残業時間が実際の勤務状況より少ない場合は、正しい労働時間を把握できていない可能性があります。
④ 残業代・深夜割増賃金は正しく支払われていますか?
法定時間外労働は原則25%以上、法定休日労働は35%以上、深夜労働(22時~翌5時)は25%以上の割増賃金が必要です。月60時間を超える法定時間外労働には50%以上の割増率が適用されます。固定残業代を導入している場合も、対象時間・金額の明確化や超過分の追加支払いなどを確認しましょう。
⑤ 「管理職だから残業代は不要」と判断していませんか?
役職名だけで労働基準法上の「管理監督者」に該当するわけではありません。職務内容・責任と権限・勤務態様・待遇などの実態を踏まえた判断が必要です。また、管理監督者に該当する場合でも、深夜割増賃金の規定は適用されます。
企業が今取り組みたい対応
まずは、36協定の控え、勤怠データ、賃金台帳を照らし合わせ、協定の有効期間、残業時間の集計、割増賃金の計算方法に問題がないか確認することが大切です。特に残業の多い部署や社員については、業務量や人員配置の見直しも検討しましょう。
残業管理チェックリスト
□ 36協定を適切に締結・届出し、有効期間内で運用している
□ 36協定の上限と実際の時間外・休日労働を毎月確認している
□ 始業前・終業後の業務を含め、実労働時間を適切に把握している
□ 残業代・深夜割増・月60時間超の割増を正しく計算している
□ 管理監督者の該当性を肩書だけで判断していない
まとめ|問題が表面化する前の点検が大切です
長時間労働や未払い残業代の問題は、労働基準監督署への対応だけでなく、従業員との信頼関係や職場環境にも影響します。11月のキャンペーンをきっかけに、日頃の労務管理を見直してみてはいかがでしょうか。
社会保険労務士事務所フィデスでは、36協定の作成・届出、勤怠管理や残業代計算の確認、労務監査などのご相談を承っています。自社の管理方法に不安がある場合は、お気軽にご相談ください。
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